どんな職業でも退職する際には円満退職が理想的ですが、エンジニアに関しては特にそれが顕著です。IT業界は意外にも狭い世界なので、トラブルを残したまま退職してしまうと、在籍していた会社からの自分の評価を下げてしまい、ひいては転職先にも悪評が伝わってしまう可能性があります。特に同じ分野内での転職であれば、より人脈が狭まるのは気を付けなくてはならない点です。
円満な退職を目指すのであれば、退職のタイミングを考えることが重要です。退職者希望者が出た場合、上司はその人が受け持っていた仕事を受け継ぐ人を同じ職場内で探すか、新しいエンジニアを雇う必要があります。慢性的に人材不足であるIT業界では、まず後任者を探すのに手間取ることが考えられます。また、後任者が決まっても、引き継ぐ先の人が他のポジションと兼任する場合や新人に位置から教える場合には、引継ぎに時間がかかることが予想されます。そのため、遅くとも2ヶ月前までには退職の意思を上司に伝える必要があるでしょう。
また、エンジニアはプロジェクト単位で作業を進めることが多いので、作業目途にも注意しなくてはならなりません。これからが山場だというタイミングで退職者が出てしまうと、納期に間に合わなくなってしまう可能性が出てくるため、せめて自分の任された業務が一段落するタイミングまでは在籍するのがマナーというものでしょう。とはいえ、就業規則や転職先の希望勤務開始日もあるため、様々な可能性を考えながら慎重に退職日を検討すべきです。